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会社法23条の会社責任者の忠実義務に関する解釈が出される



 会社法23条の会社責任者の忠実義務に関する解釈が出される

 
この度、2025312日に経済部(日本の経済産業省に相当)より経済部商業発展署114312日商策字第11401401940号通達が出され、20241211日付け最高裁判所112年度台上字第1306号民事判決において判示された会社法第23条第1項の会社責任者の忠実義務について、より詳細な解釈がなされましたので、以下のとおりその概要をご紹介します。
 
1.            最高裁判所112年度台上字第1306号民事判決の判旨の概要
 
取締役等の会社経営者が業務を執行する際、法に従い会社に対して負う受任者の義務には、忠実義務及び善良な管理者の注意義務が含まれます。
会社法第23条第1項では次のとおり規定しています。
「会社責任者(中国語:負責人)は業務を忠実に執行し、善良な管理者の注意義務を果たさなければならず、違反により会社に損害を与えた場合、損害賠償責任を負う。」
 
ここでいう「忠実義務」のポイントは利益相反にあり、取締役が業務執行時に、善意に基づき、会社の利益を優先して、社内規程に従い適切な経営判断を行わなければならず、自身の利益と会社の利益の相反を避けることをいいます。
また、「善良な管理者の注意義務」のポイントは合理的か否かの決定にあり、取引上の社会通念に照らし、相当な知識・経験を持ち信義誠実に従う者が有する注意の程度をもって判断します。
 
2.            忠実義務について
 
忠実義務の内容は、抽象的な法律概念であるものの、例えば以下の会社法の関連条文が具体的に落とし込まれたものとなっています。
 
    209条第1項:取締役は自己又は他人のために会社の営業範囲内で行う行為について、取締役会でその行為の重要な内容を説明し、その許可を取得しなければならない。
    196条第1項:取締役の報酬は、定款で規定していない場合、株主総会で決議しなければならず、事後に追認してはならない。
    206条第2項:取締役は会議の事項について自身と利害関係を有する場合、当回取締役会においてその自身の利害関係の重要な内容を説明しなければならない。
3項:取締役の配偶者、二親等内の血族、又は取締役と支配・従属関係を有する会社は、前項会議の事項について利害関係を有する場合、取締役が当該事項について自身と利害関係を有するものと見なす。
4項で準用する第178条:取締役は会議の事項について、自身と利害関係を有するために会社の利益を害する虞のある場合、決議に参加してはならず、また他の取締役を代理してその議決権を行使してはならない。
    223条:取締役は自己又は他人のために、会社と売買、貸借又はその他法律行為をする場合、監査役が会社を代表する。
 
取締役が業務執行時に前記規定に違反した場合、忠実義務に違反することになります。
 
3.            司法実務における認定
 
商業事件審理細則第37条では次のとおり規定しています。
「裁判所は商業事件を審理する際、以下の各号の事情を考慮し、会社責任者が業務を忠実に執行し、善良な管理者の注意義務を果たしたか否かを判断することができる。
一、その行為が善意によるものであり、かつ信義誠実に合致するか否か。
二、十分な情報を基礎としてその判断を行ったか否か。
三、利益相反、独立性欠如の判断を行ったか否か、又は忌避事由の有無。
四、裁量権の濫用の有無。
五、会社の運営にとって必要な監督を行ったか否か。」
 
これより、裁判所は取締役が業務を忠実に執行し、善良な管理者の注意義務を果たしたか否かを審理する際、上記の基準に従い、具体的な個別案件の状況に応じて判断することができます。
 
当事務所では「コーポレート及びインベストメント」のプラクティスチームを設けております。本解釈に関してご質問やサポートが必要なこと等ございましたら、いつでも当事務所の朱百強弁護士(marrosju@leeandli.com)、林莉慈弁護士(litzulin@leeandli.com)までお問い合わせ頂ければ幸いです。
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