ニューズレター
関係企業に関する結合規制除外対象の拡大
関係企業に関する結合規制除外対象の拡大
2015年2月4日付で改正の「公平交易法」(日本の不正競争防止法及び独占禁止法に相当。以下「公平法」といいます。)では、結合規制には「グループ企業」の概念が新たに取り入れられたため、関係企業間は「経済上の一体性」を有し、その相互間の結合は組織内部の調整であり、競争に対する実質的な影響がない、と認められることになっています。
これに合わせて、公平交易委員会(日本の公正取引委員会に相当。以下「公平会」といいます。)は、2016年7月18日に改正「公平交易委員会の結合届出案件に対する処理原則」(以下「処理原則」といいます。)を公布し、また結合届出を免除することのできる新たな取引類型を通達により公告しました。今回の改正の要点は以下のとおりです。
1. 関係企業に係る結合類型を略式審査適用対象から削除(処理原則第7点第5号)
改正前の処理原則第7点では、前4号に定めた場合のほか、第5号において、次の五つの場合のいずれかに該当するとき、公平会は簡略化手続により結合審査を行うことができるとされていました。
(1) 結合に参加する事業者は、直接的に他事業者の3分の1以上、2分の1未満の議決権付き株式又は出資額を保有する上で、当該他事業者と結合する場合
(2) 事業者は既に支配及び従属関係のある他事業者と結合する場合(公平法第12条第1号に該当した場合を除く)
(3) 事業者は同一の支配事業者に従属する他事業者と結合する場合(公平法第12条第2号に該当した場合を除く)
(4) 事業者はその保有する第三者の議決権付き株式又は出資額の一部又は全部をその支配及び従属関係のある他事業者に譲渡する場合
(5) 事業者はその保有する第三者の議決権付き株式又は出資額の一部又は全部を同一の支配事業者に従属する他事業者に譲渡する場合
これに対し、今回の改正では、(2)から (4)までについては、関係企業に係る結合類型であるため規制する必要がないとみなされ、すべて削除されました。(1)についても、改正後の公平法で関係企業による間接的な保有も結合の計算に含められているため、「直接的に」という用語が削除されました。
2. 関係企業に係る結合類型を結合届出免除対象へ追加(公平法第12条第6号及び公服字第10512606761号通達)
処理原則第7点第5号の改正とともに、公平会は公平法第12条第6号に基づき、前記1.の(2)から(4)までの関係企業に係る結合類型を結合規制除外対象として通達により公告しました。したがって、これらの結合案件については、今後、結合届出をする必要がないことになります。
上記情報についてご質問がございましたら、又はその他の関連法規についての情報をご希望でしたら、お気軽に弊所(お問い合わせ先:朱百強弁護士marrosju@leeandli.com;林莉慈弁護士litzulin@leeandli.com)までご連絡下さい。