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専利請求の範囲における技術的特徴を手段/ステップ機能用語と解釈することによって、従来技術に基づく拒絶を回避できるか



専利請求の範囲(請求項)(専利:特許、実用新案、意匠を含む)における「手段機能用語」や「ステップ機能用語」は、一般に「特定の機能を実現するための」「装置/物」または「ステップ」によって技術的特徴を記載するものである(例えば、Aからのワイヤハーネスを被覆するためのワイヤーハーネス被覆装置)。ただし、当該「装置/物」や「ステップ」の具体的な構造、材料、または動作については、それ以上記載されていないこのような表現で記載された技術的特徴が、その機能を実現できるあらゆる物やステップにまで拡張解釈され、明細書やび図面から合理的に理解できる範囲を大きく逸脱してしまうのを避けるため、専利法施行規則第19条第4では次のように規定している。「複数の技術的特徴を組み合わせた発明について、その請求項の技術的特徴は、手段機能用語またはステップ機能用語で表現することができる。請求項を解釈する際には、明細書に記載された当該機能に対応する構造、材料、または動作及びその均等な範囲を含めるものとする。」

 

専利請求項中のある特徴が主として機能によって記載されており、「手段機能用語」または「ステップ機能用語」のように見える場合、専利権者や出願人は、第三者から従来技術に基づいて専利の新規性や進歩性を争われた際、前述の規定に基づき、当該特徴を「手段機能用語」や「ステップ機能用語」であると主張し、従来技術との対比において、明細書に開示された当該機能に対応する構造、材料、または動作の特徴を、解釈後の請求項の特徴として組み込むべきであると主張する余地が確かに存在する。このように解釈された狭い範囲の特徴を従来技術と対比することで、従来技術と区別できる進歩性の特徴を導き出し、その結果、専利が無効とされることを回避することができる。

 

しかし、こうした手法が常に通用するわけではない20261月に知的財産および商業裁判所(以下「IPCC」という)が下した114年(西暦2025年)度民専訴字第13号判決(以下「本判決」という)がその一例である。本判決において、実用新案権者(原告)は、係争実用新案登録の請求項1の特徴を従来技術の特徴と明確に区別するため、次のように主張した。「係争実用新案TWM647163の請求項1において特定される「上部に簡素な連結プレート一、連結プレート二および回転軸管を、密着性・通気性・軽量化を保ちつつ結合させる」という文言は、手段機能用語(means-plus-function)に該当するものであり、「連結プレート二」の解釈にあたっては、係争実用新案の明細書および図面に開示された対応する実施例の具体的構造を含むべきである。つまり、「一つの折り曲げ形状を有する字型の板体」という技術的特徴を、係争実用新案の請求項1で解釈される権利範囲に読み込むべきである。」

 

しかし、IPCCは実用新案権者の主張を認めなかった。IPCCの判断は以下のとおりである。

 

1. IPCCは、手段機能用語に該当するか否かの判断原則を以下のように示した。「手段機能用語またはステップ機能用語に該当するか否かは、請求項に以下の記載があるかどうかによって判断されるべきである。(1) するための手段(または装置)(means for)」または「するためのステップ(step for)」という文言で技術的特徴を記載すること。(2) するための手段(または装置)」または「するためのステップ」という文言に、特定の機能が記載されること。(3) するための手段(または装置)」または「するためのステップ」という文言に、その特定の機能を実現するに足りる完全な構造、材料、または動作を記載してはならないこと。」

 

2IPCCの判断により、係争実用新案の請求項1において特定される「その字型管状体の支柱上部を高くし、その上部に簡素な連結プレート一、連結プレート二および回転軸管を、密着性・通気性・軽量性を保ちつつ結合させる」という技術的特徴に基づき、当該考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という)は、その字型管状体の支柱上部に連結プレート一および連結プレート二を含み、それらを回転軸管と結合させることで、「密着性・通気性・軽量性」という特定の機能を実現できることを十分に理解し得る。

 

3. IPCCはさらに、次のように判断した。原告は、連結プレート二(6)の具体的形状(すなわち、折り曲げ状の「字型の板体」構造)を請求項1の技術的特徴の一部として組み入れるべきだと主張したが、原告が主張する形状的特徴は図面の内容からのみ推論可能であり、係争実用新案登録出願の明細書には当該連結プレート二(6)の外形構造が特定されていない。したがって、原告の主張は採用できない。

 

 
係争実用新案の明細書の開示内容を確認したところ、「密着性・通気性・軽量化」という機能を実現するための、連結プレート二に関連する構造や材料についての記載は決して多くない(「型管状体1の上部に、簡素な連結プレート一5、連結プレート二6、および回転軸管4を用いて密着結合させることで、被覆のない開放空間が形成され、通気性が向上する。これにより、バイクのセンタースタンド全体の強度を損なうことなく軽量化を図るという目的を達成できる」、「当該連結プレート一5、連結プレート二6の軽量化用肉抜き孔51や肉抜き切欠き61は、必要に応じて異なる幾何学的形状や数量に設計することができ、全体の強度を損なうことなく軽量化を図るという目的を達成できる」を含む)。また、明細書の記載は請求項1の記載と大きく異ならないことから、IPCCは、請求項1の記載をもって、当業者が係争実用新案における「密着性・通気性・軽量性」という機能を実現するための具体的手段を十分に理解できると判断したものと推測される(さもなければ、係争実用新案の明細書の開示は不十分または不明確であるとの疑いが生じる)。

 

したがって、手段/ステップ機能用語で表示された専利請求の範囲の解釈方法を用いて請求項の特徴を解釈し、その専利請求の範囲を明細書に記載された対応する構造、材料、または動作に限定しようとするならば、前提として、明細書には、その手段/ステップ機能用語に対応する構造、材料、または動作を完全に記載した実施例が少なくとも1つ含まれる必要があり、単に請求項とほぼ同一の記載内容を提供するだけでは不十分である。

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