ニューズレター
地図上に商標で営業場所の標示を行うことは商標権侵害を構成しない
他人の商標をGPS(※Global Positioning System、全地球測位システム。米国によって運用される衛星測位システム)マップに使用して営業場所を標示することは、現在、実務上、よく見られる型態である。もし商標権者の同意を得ていなければ、商標使用又は商標権侵害を構成するのか否かについては、なお紛争がある。 |
智慧財産局(※台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当)は具体的な個別案についての解釈通達で、電子地図製作会社が地図上に登録商標を標示する目的が、商標権者の営業場所の位置を説明する又は示すためだけであるのならば、かかる標示行為は商標権者の商標を利用して商標権者の提供する商品又は役務を説明することによって、関連消費者にある地区内における商標権者の営業場所の位置を知悉させるものであり、「商標法」第30条第1項第1号に規定される「合理的な使用」に合致するはずで、「商標法」第6条に定める「商標の使用」に属さない、と認めている。 |
「商標法」第6条にいう「商標の使用」とは、販売の目的で、商標を商品、役務又はその関連物件に用いたり、若しくは平面画像、デジタルマルチメディア、電子メディア又はその他媒介物を利用して、関連消費者にそれが商標であると認識させることができるものをいう。よって、商品又は役務の供給元を指し示す機能を具える商標の使用は、関連消費者にそれが商品又はサービスの供給元を表彰する標識であると認識させるはずである。もし使用の目的又は方法が、商品又は役務に関する説明を表示するためだけであり、関連消費者にそれが商品又は役務の供給元であると認識させることができないのであれば、商標文字を関連商品又は役務に標示したという事実があっても、依然として「商標使用」に属さず、他人の商標権の効力による拘束を受けず、「商標法」第30条第1項第1号の規定、即ち、他人がもし善意且つ合理的に使用する方法で、自己の氏名、名称又はその商品又はサービスの名称、形状、品質、用途、産地又はその他商品又はサービス自体に関する説明を表示し、商標として使用しない場合、他人の商標権の効力による拘束を受けない。 |