ニューズレター
ディーラーの業務活動の制限は「公平交易法」に違反する
「公平交易委員会」(「公正取引委員会」。以下「公平会」)は2010年6月30日の第973次委員会議において、「弘音多媒体科技股份有限公司(以下『弘音社』)及び瑞影企業股份有限公司(以下『瑞影社』)が、ディーラーがその他のブランドのMIDIカラオケ用製品を同時に代理、仲介又は取次販売することができないよう制限し、また、ディーラーによるMIDIカラオケ用製品の転貸価格を制限する行為は、取引相手の事業活動を不当に制限する条件をもって、当該取引相手と取引する行為を構成し、MIDIカラオケ用製品の市場競争を制限するおそれがあり、『公平交易法』(※日本の『不正競争防止法』、『独占禁止法』の要素が含まれる。)第19条第6号の規定に違反する」と決議した。公平会は当該2社に対し違法行為の停止を命じたほか、弘音社に70万新台湾元、瑞影社に100万新台湾元の罰金をそれぞれ科した。 |
公平会は、「弘音社及び瑞影社のMIDIカラオケ用製品市場における占有率は計80%を超えており、かなりの市場力を有する。当該2社は2008年9月のディーラー会議において、ディーラーは、その他のブランドのMIDIカラオケ用製品を同時に代理、仲介又は販売することはできず、それらをすれば、ディーラーとの協力を終了すると宣告し、書面公告の方式で各ディーラーにその旨を通達するとともに、区域請負業者と締結した契約の中にもその旨を明記した」としている。公平会は、弘音社と瑞影社の取引行為は、競争相手の販売ルート拡張又は獲得を阻害し、市場独占効果を形成するもので、「ブランド間の競争」を弱め、市場競争を実質的に阻害することになる、と認めている。 |
また、弘音社及び瑞影社は、契約により「区域請負業者がMIDI製品を取次販売する際に使用者から徴収する転貸費用は、指定価格より低くてはならない。違約者については、契約を終了することができる」と取り決めている。区域請負業者は契約締結時、既に、取り決めたリース価格によりリース保証金を計算し、小切手を発行して、実際に販売されてから保証金を差し引いているため、請負台数の転貸の可否に係るリスクは区域請負業者が負っている。公平会は「弘音社及び瑞影社が転貸価格を制限する行為は、実質的に、区域請負業者が自らの経営環境及び競争戦略に照らして自由に転貸価格を決定する余地を奪っており、これは取引相手の事業活動を不当に制限する条件をもって当該取引相手と取引する行為に属し、かつ、容易にディーラーの転貸価格を一律にし、同じ製品の異なる販売ルート間における『ブランド内競争』を弱めるものである」と認めている。 |
公平会は、弘音社及び瑞影社の行為はMIDIカラオケ用製品の市場競争を制限するおそれがあり、「公平交易法」第19条第6号の規定に違反すると認め、「公平交易法」第41条前段の規定により、違法行為の停止を命じるとともに、弘音社に70万新台湾元、瑞影社に100万新台湾元の罰金をそれぞれ科した。 |