ニューズレター
検索連動型広告は、商標権侵害にあたらない
他人の商標を検索連動型広告とする行為が商標権侵害を構成するか否かは、現在、世界中で注目されている紛争問題である。商標法又は「公平交易法」(注:日本の「不正競争防止法」、「独占禁止法」の要素が含まれる。)には、検索連動型広告について如何なる具体的かつ明文化された規範も置かれていない。 |
知的財産裁判所は、2009年度民商上字第11号民事判決で、「検索連動型広告の内容自体は商標を商品又は役務の販売促進に使用しておらず、同時に、キーワードを入力する使用者も、これを理由に、広告内容において販売、提供される商品又は役務が商標所有者によって提供されるものであると認識又は混同することはないため、商標の使用行為にはあたらず、したがって商標権侵害を構成しない」と判示している。 |
上述のとおり、知的財産裁判所の見解では、「検索連動型広告は商標権侵害を構成しない」としているにもかかわらず、「公平交易委員会」(注:「公正取引委員会」、以下「公平会」)は、公処字第098133号処分書において、具体的な個別案に対し、「仮に、ある事業者が、そのウェブサイトの訪問者数を増やすため、検索連動型広告を購入し、他の事業者の著名商標、名称又はその他の営業表徴を利用することによって、そのウェブサイトの情報が検索エンジンで検索され、潜在的な顧客をそのウェブサイトに誘導するのであれば、当該事業のこの種の検索連動型広告の使用行為は、他の事業者の著名表徴又は営業上の信用の背後にある経済成果に係る努力に対して損害を与える可能性があり、市場の公正な競争秩序に対して影響がないとは言えない」として、「公平交易法」第24条の規定に違反すると認めた。当該案については、訴願が提起された後、行政院が院台字第0990096196号訴願決定をもって、公平会の見解を維持する旨の決定を下している。 |