ニューズレター
第一号TWNICドメインネーム紛争処理案件結果公表
TWNIC(中国語名称:台灣網路資訊中心)により認可を受け、ドメインネーム紛争処理機間の資格を有する資策會(資訊工業策進會、Institute for Information Industry)科技法律中心(科学技術法律センター)は、2001年8月6日TWNICのドメインネーム紛争処理法及び実施要点にもとづき、専門家チームは、ドメインネーム紛争処理案件に関する最初の判断を下した。申立人である米国企業Mars Incorporatedはドメインネーム<http://www.m-ms.com.tw>の使用権を取得した。
米国企業Mars Incorporatedは<m&m's>チョコレート製品登録商標の所有者である。Mars Incorporatedは、<m&m's>は著名商標であり、ドメインネーム<http://www.m-ms.com.tw>の主要部分である<m-ms>と当該商標は類似しており、かつ原登録者には当該ドメインネームを登録する権利又は正当な利益がないと主張した。このほか申立人は、当該登録者は使用者にMars Incorporatedの登録商標と混同を生じさせることによって使用者を誤誘導し、登録者のホームページにアクセスさせることを意図していると認めている。原登録者は上記の指摘を否認し、並びに登録者が法に従って取得したドメインネーム登録であると主張し、かつ登録者の会社営業項目と申立人の営業項目は異なるとして抗弁している。
本案件専門家チームは、主要部分の総体的な観察及び比較という原則にもとづいて、<m-ms>と<m&m's>商標の主要文字部分は、読みと外観が極めて類似していると認めた。また、登録者が当該ドメインネーム使用に関して自らが有する権利又は正当な利益を積極的に証明しなかったこともあり、専門家チームは、<m&m's>は著名商標であり、登録者はそれが他人の著名商標であることを明らかに知りながら申立人の著名商標に類似する主要文字部分をもって当該ドメインネームの登録を申請したものであり、こうした行為は申立人の著名商標が表彰する商品品質及び会社の商業上の信用、グッドウィルに乗じる不当な便乗効果を生じるものであると認めた。
また、一般的なインターネット使用にもとづけば、通常、会社名称又は商標の主要部分をもって当該企業の登録するドメインネームとすることが期待される。属性型英文ドメイン(Attributed English domain)の使用可能な文字に“&”と“'”の記号が含まれておらず、消費者が<m-ms>を<m&m's>と誤認し、かつ当該ホームページの内容が提供する商品及びサービスが申立人の提供するものであると誤認する可能性は極めて高い。したがって、本案件について、原登録者が登録した当該ドメインネームは、インターネット使用者を誘引又は誤誘導することによって当該ホームページに目を通させる結果を招いているため、申立人に<m-ms>のドメインネーム使用権取得を認めた。