ニューズレター
大法官会議第507号解釈文による特許侵害の鑑定
場合、民事または刑事上の責任を負うことになる。特許法第123条から126条までは物の特許及び方法特許の侵害に関する刑事責任を定め、127条から129条までは特許侵害品の販売、販売のための陳列、輸入に関する刑事責任を定めている。また、特許法第131条2項、3項の規定により、第123条から126条の各条項に基づいて告訴する、侵害鑑定報告書及び特許権者が侵害者に対し侵害の排除を請求した事実示す書面を提出しなければならず、前述の書類を提出しない場合、当該告訴は不適法であると定められてある。更に、特許法第131条4項には、司法院と行政院は協調して侵害鑑定機関を指定しなければならないという規定が置かれている。これを受け、目下69カ所の機構が専門鑑定機関として指定されている。
かつて、裁判所や検察署が若干のケースにて特許侵害に関する鑑定報告書は、指定の専門機関が作成したものに限られるという見解を示し、権利者に困惑をもたらしたことがある。よって、特許法の立法趣旨及び権利者の訴権の保障を明確にするため、最高裁判所は、88年度台非字第233号判決にて、裁判を受ける権利は憲法第16条に保障され、特許法第131条2項に定められてある侵害鑑定報告書とは政府機関に指定された専門鑑定機関に限定されない旨の意見を示した。その後、最高裁は2000年1月26日に会議を開き、前述の鑑定報告書は、政府機関に指定された専門鑑定機関によるものに限定されず、専門知識或いは経験を備えた専門家または機構によって作成されたものも認められるべきであるという決議に達した。
最高裁の上述の見解に続き、大法官会議は、2000年5月19日に第507号解釈文を作成し、憲法第16条に保障している裁判を受ける権利は国民の権益が不法に侵害されたとき、司法機関の救済を求める権利が含まれているが、訴権の行使は法によって定められるべきであり、訴権の乱用により他人の自由を妨害し、または国の司法資源を浪費しないようにするため、告訴或いは自訴に合理的な制限を付け加えることはできる。しかしながら、かかる制限は憲法第23条の比例原則に従わなければならない。特許法第131条2項から4項で、侵害鑑定報告書を訴訟提起の要件としているのは、訴権の不必要な制限であり、前述の比例原則に違反し、よって、特許法第131条2項の侵害鑑定報告書の提出要件及び3項の侵害鑑定報告書の提出要件は、これを適用しないものとする。